新国立劇場で彩る谷崎文学の世界
谷崎潤一郎生誕140年の節目に「春琴抄」を上演
私はある日ふと思い、トー横キッズがたむろする歌舞伎町を通り抜け、
新宿からバスに乗って大阪へと旅に出た。ただ、目的は明確だった。
そんな旅の最中に、私は見知らぬ老人から冊子『鵙屋春琴伝』を手渡された。
そこには春琴、そして伝を編んだ本人と思われる温井佐助、
という過去存在した女と男について書かれていた。
春琴は大阪道修町の裕福な薬種商の娘で、容姿端麗であったが、九歳で盲目となってしまう。
それより琴三絃の道を志すに至るのだが、当時春琴に丁稚として仕えていたのが、
十三歳の佐助であった。
はじめ佐助は、稽古の時に春琴の手を曳くだけの関係だったが、
何かにつけて同化したい想いからやがて夜な夜な独り隠れて三味線稽古をするようになる。
半年ほど経って見つかってしまうも、春琴は佐助を弟子に持とうと言い出したことから、
二人は主従関係の上に子弟の契りを結んだ。
こうして「学校ごっこ」のような二人の遊戯が始まったのであったが、
やがて稽古は本物へと進化していって……。

上演台本・演出 海路
出演
茅島みずき
小栗基裕(s**t kingz)
水田航生
古屋呂敏
中山敬悟
永井秀樹(青年団)